年間休日106日の仕事は、平均よりも休みが少ない労働環境です。
12ヶ月にならすと「毎月8〜9日間の休みがある」というような休日日数になり、毎週2回+αの休日がなんとか確保できる職場です。
盆や正月、その他祝日などの「長期休暇」を求めるなら、すこし心許ない休日日数かもしれません。
それでは「年間休日106日のリアル」を見ていきましょう。
年間休日106日の内訳は?
年間休日106日の内訳は「月に8〜9日の休日×12ヶ月=年間休日106日」という形になります。
完全週休2日制がギリギリ採用できる日数ですが、そうすると長期休暇が取れなくなるという、なかなかもどかしい休日数と言えそうですね。
年間休日106日の職場の働き方は、大きく分けると下記3種類のいずれかに含まれます。
- シフト制(変形労働時間制)
- 週休2日制
- 完全週休2日制
シフト制(変形労働時間制)の場合の内訳
年間休日106日でシフト制(変形労働時間制)の場合、月の休みが8〜9日くらいで、1日の労働時間はだいたい8時間になります。
例えば日数が「31日」の月であれば、9日休んで「22日」が労働日数になります。
1ヶ月単位の変形労働時間制の場合は「31日間で177時間8分まで」に収めれば法定労働時間内ですので、それを22日で割ると1日あたり「8.04時間」です。
だいたい1日に8時間ほど働くようなシフトになるでしょう。
完全週休2日制の場合の内訳
年間休日106日で「完全週休2日制」の職場の場合、祝日などは一切関係なく「土日」あるいは「日曜+週の中の1日」が休みになるような内訳で働くことになります。
毎週2日だけでは少し日数が余りますので、正月や盆なども一部休みになるようなイメージですね。
連休を取りたい場合は「有給」や「会社ごとの特別休暇」に頼ることになりますので、福利厚生によって大きく差が出るでしょう。
週休2日制の場合の内訳
年間休日106日で週休2日制の職場の場合、だいたい「日曜+一部の土曜日や祝日、盆や正月」が休日になるような内訳で働くことになります。
(1ヶ月のうち1回でも「2日休みの週」があれば「週休2日制」になります。毎週2日休みであれば「完全週休2日制」です。)
一般的には「日曜日+隔週の土曜+盆正月が休み」だったりと、少し変則的な休日体制の会社になるでしょう。同じ年間休日日数で「完全週休2日制」の会社よりは、連休が取りやすいかもしれません。
年間休日106日は多い?少ない?
年間休日106日は「平均よりも8.7%少ない」休日日数です。
厚生労働省が実施した『令和2年就労条件総合調査』の労働時間制度の結果では、「労働者一人当たりの平均年間休日総数は116.0日」とされています。
106日で割り返すと0.913となりますので、平均よりも8.7%ほど少ない休日日数だと言えます。
さらに純粋に日数差で考えると、年間休日が平均より10日少ないことになります。ちょうど盆や正月の日数分くらいでしょうか。
ちなみに年間休日が100日〜109日の会社は、全体から見ると割合がもっとも多い結果になっています。ある意味ではちょうど中央くらいの日数だと言えるでしょう。詳細は下記表の通りです。
年間休日数 | 全企業内の割合 |
---|---|
69日以下 | 1.6% |
70〜79日 | 3.1% |
80〜89日 | 4.7% |
90〜99日 | 7.4% |
100〜109日 | 32.7% |
110〜119日 | 18.7% |
120〜129日 | 28.9% |
130日以上 | 2.9% |
傾向をまとめると、
- 企業規模が小さいほど、年間休日が少なくなる傾向にある
- 休日日数が100日以上の会社が、全体の大半を占めている
この辺りも資料から読み取れる事実になります。
つまり「年間休日106日」はちょうど中央値くらいではありますが、社会全体で見ると少し少なめの年間休日日数だと言えるでしょう。
年間休日106日の仕事を選ぶメリット
年間休日106日の仕事を選ぶメリットは、下記の通りです
- 平均より休みの多い仕事と比べて、時給や日給月給ならいっぱい稼げる
- ボリュームゾーンなので、比較的仕事を選びやすい
時給や日給月給ならいっぱい稼げる
年間休日106日の仕事は、アルバイトや契約社員など「働いた分だけのお金をもらえる」という雇用形態であれば、休みが多い仕事よりも稼ぎやすいと言えます。
例えば年間休日120日の仕事なら、大体月の休みが10日ほどになります。
30日月に「1日7時間・時給1,200円」で働くとすると、
- 休みが月に10日(年休120日)の場合「1日8,400円×20日=168,000円」
- 休みが月に8日(年休106日)の場合「1日8,400円×22日=184,800円」
このように、それなりに稼げる額に差が出ます。希望すれば限界ギリギリまで働かせてくれる職場もあるかもしれません。
アルバイトや契約社員として働いて稼ぎたいのであれば、休みが少ない年間休日106日の仕事などを選ぶメリットはあるでしょう。
比較的仕事を選びやすい
年間106日の仕事は、全企業のなかでもボリュームの大きいゾーンです。
つまり休日数の多さというよりも「仕事内容」で選びたい場合、働けるチャンスが多いと考えられます。
「さほど休日数は気にせず、とにかく働きたい業種や職種にチャレンジしたい」という状況であれば、仕事を選びやすいという点でメリットがあるでしょう。
年間休日106日の仕事を選ぶデメリット
年間休日106日の仕事を選ぶデメリットは「そこまでプライベートを満喫できるほどではない」ということです。
- 休日を満喫するには、ちょっと休みが少ない
- 福利厚生が整っていない傾向にある
休日を満喫するには、ちょっと休みが少ない
年間休日が106日だと、会社によっては稀にまとまった休みを取れる可能性はありますが、基本的には長期の休日を取るのが難しい環境です。
例えば年間休日が120日あれば、GWや盆、正月などに5連休〜10連休程度のまとまった休みが取れることも少なくありません。
しかし106日だと、大体の場合は2泊3日くらいの旅行を計画するのが精一杯になりそうです。
「とにかく仕事よりもプライベートを充実させたい」と考えるのであれば、休日数がそこまで多くないことはデメリットになるでしょう。
福利厚生が整っていない可能性がある
『令和2年就労条件総合調査』の労働時間制度の結果を見ると、会社の規模が小さいほど年間休日日数も少なくなる傾向があることがわかります。
それと同時に、例えば「特別休暇」や「保養所の利用」、その他の福利厚生の制度があまり整っていない可能性も考えられます。
もちろんそれを承知で働くなら何ら問題はありませんが、とにかく「労働環境」を重視したいのであれば、少し心許ない職場かもしれません。その点は求人票でもチェックしておくと良いでしょう。
年間休日106日の仕事が多い業界・職種
年間休日106日の仕事が多い業界は、以下のような内容です。
- 小売・卸売業
- 運輸業・郵便業
- 生活関連サービス業・娯楽業
- その他サービス業
- 建設業
- 鉱業・採石業・砂利採取業
- 医療・福祉
根拠は厚生労働省が調査した『就労条件総合調査』です。令和2年の各業種ごとの年間休日の平均日数が、下記の通り発表されていました。
産業 | 平均年間休日 |
---|---|
鉱業,採石業,砂利採取業 | 106.7日 |
建設業 | 107.6日 |
製造業 | 113.3日 |
電気・ガス・熱供給・水道業 | 120.1日 |
情報通信業 | 123.2日 |
運輸業、郵便業 | 100.4日 |
卸売業、小売業 | 107.0日 |
金融業、保険業 | 123.3日 |
不動産業、物品賃貸業 | 114.2日 |
学術研究、専門・技術サービス業 | 121.8日 |
宿泊業、飲食サービス業 | 98.0日 |
生活関連サービス業、娯楽業 | 105.6日 |
教育、学習支援業 | 115.2日 |
医療、福祉 | 112.4日 |
複合サービス事業 | 115.2日 |
その他サービス業 | 110.4日 |
業界ごとの平均日数なども考慮に入れながら、自分が納得できる年間休日日数の仕事が選べると良いでしょう。
年間休日106日で働いている方の休日の過ごし方
ここでは、年間休日が100日〜109日で働いている方がどんな風に休日を楽しんでいるのかご紹介していきます。
ぜひ参考にしてみて下さい。
年間休日106日前後の方が、休みを増やした体験談
ここでは、年間休日106日前後だった方が休日を増やすことに成功した転職体験談をご紹介します。
ぜひ参考にしてみてください。
休日を充実させるなら、年間休日106日は微妙なところ
結論として、より休日を充実させたいなら「年間休日106日」の職場は微妙なところです。
そこまで悪いわけではありませんが、手放しで喜べる労働環境でもありません。
年間休日106日だと長期休暇を取ることが難しいので、プライベートを充実させるには工夫が必要かもしれませんね。
何を重視するのかにもよりますが、とにかくプライベートを重視したいなら、仕事を変えることも一つの選択肢かもしれません。
では、良い休日を。