年間休日52日(53日)の仕事は、平均よりも休みが少ない労働環境です。
12ヶ月にならすと「毎月4〜5日間」というような休日日数になり、要するにちょうど週に1回の休みがある状況です。
「休みが少なすぎて違法では?」と疑う人も出てくる休日日数ですが、週や月の総労働時間を守っていれば違法ではありません。
それでは「年間休日52日(53日)のリアル」を見ていきましょう。
年間休日52日(53日)の内訳は?
年間休日52日(53日)の内訳は「週に1回の休み×1年52週間=年間休日52日(曜日周りによっては53日)」という形になります。
日曜休みの職場だと、曜日周りで「52日」になることや「53日」になることがありますが、以降は便宜上「52日」として解説していきます。
さて、「あまりに少なすぎるのでは?」と思うのですが、労働基準法によると下記のように定められています。
第三十五条 使用者は、労働者に対して、毎週少くとも一回の休日を与えなければならない。
出典:労働基準法
② 前項の規定は、四週間を通じ四日以上の休日を与える使用者については適用しない。
つまり1年は52週なので、とりあえず週に1回休めばギリギリOKということです。
また変形労働時間制という制度もあります。
1ヶ月単位の変形労働時間制
出典:厚生労働省HP
1ヵ月以内の一定期間を平均し、1週間当たりの労働時間が法定労働時間を超えない範囲内において、特定の日又は週に法定労働時間を超えて労働させることができる制度
この辺りを考えて、
- シフト制(変形労働時間制)
- 日曜固定休のみ
上記のどちらかになることが多いのが「年間休日52日」という職場の働き方です。
シフト制(変形労働時間制)の場合の内訳
年間休日52日でシフト制(変形労働時間制)の場合、月の休みが4〜5日で、1日の労働時間はだいたい6〜7時間くらいになります。
ランダムに週に1回の休日があるという計算で、週6日間で最大40時間まで働くと考えると「1日あたり6.6時間」が平均労働時間になります。
ただし現実的に考えるとそれでシフトを回すのは難しい場合もあるため「基本的に残業ありき」でシフトが組まれることになるかもしれません。
日曜が休みの場合の内訳
日曜日が固定休の職場であれば、6日働いて1日休むといった決まったペースで働くような内訳になります。
ただ今どき、このような法令ギリギリの休日制度にしている職場はほぼありません。
あったとしても、だいたいは「特別休暇」としてまとまった休日が設定されているような、年間を通して忙しい時期と暇な時期がはっきりしている仕事が多い傾向にあります。
ということで、一般的には「基本的に休日は日曜日のみで、たまに+α休める」というような働き方になるでしょう。
年間休日52日は平均より多い?少ない?
年間休日52日は「平均よりも55.2%少ない」休日日数です。
厚生労働省が実施した『令和2年就労条件総合調査』の労働時間制度の結果では、「労働者一人当たりの平均年間休日総数は116.0日」とされています。
52日で割り返すと0.448となりますので、割合で考えると平均よりも55.2%ほど少ない休日日数だと言えます。
純粋に日数差で考えると、年間休日が平均より64日も少ないことになります。2ヶ月分以上、休日日数に違いが出ることになりますね。
それと同時に、
- 企業規模が小さいほど、休日が少なくなる傾向にある
- 休日日数が69日以下の会社は全体の1.6%
この辺りも資料から読み取れる事実になります。
つまり「年間休日52日」は小さい会社に多く、社会全体で見てもかなり少ない年間休日日数だと言えるでしょう。
年間休日52日の仕事を選ぶメリット
年間休日52日の仕事を選ぶメリットは、ほぼありません。
ただ一つだけ「時給や日給月給で働く場合はいっぱい稼げる」というのがメリットです。
時給や日給月給ならいっぱい稼げる
年間休日52日の仕事は、アルバイトや契約社員など「働いた分だけのお金をもらえる」という雇用形態であれば、休みが多い仕事よりも稼ぎやすいと言えます。
例えば年間休日120日の仕事なら、大体月の休みが10日ほどになります。
31日月に「1日7時間・時給1,200円」で働くとすると、休みが月に10日(年休120日)の場合「1日8,400円×21日=176,400円」です。
対して「1ヶ月単位の変形労働時間制」で31日間、177時間限界まで働いた場合「1,200円×177時間=212,400円」となり、それなりに稼げる額に差が出ます。
残業の多い職場であれば、残業代でさらに稼げる可能性もあります。
アルバイトや契約社員として働いて稼ぎたいのであれば、休みが少ない年間休日52日の仕事を選ぶメリットはあるでしょう。
年間休日52日の仕事を選ぶデメリット
年間休日52日の仕事を選ぶデメリットは「プライベートが充実しにくいし、将来性も良くない」ということです。
- プライベートが充実しにくい
- 会社規模が小さく、将来性が不透明なことが多い
プライベートが充実しにくい
年間休日が52日しかなければ、プライベートを充実させにくいというのが大きなデメリットです。
わかりやすいところでは「連休が取りにくく、旅行や帰省が難しい」ということが考えられます。おそらく1泊2日の旅行ですら、一大決心しなければ難しいでしょう。
友人や家族と休日の予定も合わせにくくなりますし、プライベートが充実しにくいのは大きなデメリットだと言えます。
会社規模が小さく、将来性が不透明なことが多い
『令和2年就労条件総合調査』の労働時間制度の結果を見ると、会社の規模が小さいほど年間休日日数も少なくなる傾向があることがわかります。
さらに年間休日69日以下の会社は、全体のわずか1.6%しかありません。
規模が小さいということは将来性も不透明であることが多いため、わざわざ年間休日の少ない会社を選ぶメリットは少ないでしょう。
年間休日52日の仕事が多い業界・職種
年間休日52日の仕事が多い業界・職種は、以下のような職種です。
- 小売・販売業
- サービス業
- 飲食業
- 零細企業の事務・営業など
それらの業界の特徴として、
- 募集しても人がなかなか集まらない
- 利益率が悪い
このような共通項が考えられます。
「あまり儲からないので一人ひとりに高い給料を出せず、それが原因で人が集まらないから休みを少なくしないと仕事が回らない」
こういう職場が「年間休日52日」であることが多いと言えます。
年間休日52日で働いている方の休日の過ごし方
ここでは、年間休日が52日前後で働いている方がどんな風に休日を楽しんでいるのかご紹介していきます。
ぜひ参考にしてみて下さい。
年間休日52日の方が、休みを増やした体験談
ここでは、年間休日52日前後だった方が休日を増やすことに成功した転職体験談をご紹介します。
ぜひ参考にしてみてください。
休日を充実させるなら、年間休日52日はキツい
結論として、より休日を充実させたいなら「年間休日52日」という職場はキツいものがあります。
良い休日を過ごすには、ある程度まとまった休日日数が必要です。
年間休日52日だと連休を取ることも難しいので、プライベートを充実させるには相当な工夫が必要かもしれません。
仕事を変えることなども検討すると良いかもしれませんね。
では、良い休日を。